常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

precocious

最愛の母を亡くした浅田真央選手は,その悲しみを乗り越え今月23日に開幕する全日本選手権の出場を表明しました。
浅田選手に関する記事を見ていきます。以下はThe Japan Times ONLINE(12/14/11付け)の記事"Mao was blessed with a mother who gave it her all"から一部引用です。

It didn't take long for me to start feeling very emotional about this, because I have known Mao and her mother since Mao was a precocious child of 15.
http://www.japantimes.co.jp/text/sp20111214it.html

今回注目するのはprecociousです。後に15歳と続いているので,何か「若さ」を形容する語ではないかと考えました。『新英和中辞典』(第5版,研究社)で確認してみると,「〖ラテン語〗「前もって煮る」の意から〈子供が〉早熟の,ませた.〈性格・知識など〉発達の早い,早熟の.〈植物など〉早咲きの,早なりの.」とありました。『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)にはa precocious child「知的発達の大変早い子,神童;ませた子」が用例として挙げられていました。 

また,英英辞典のLDOCEにはa precocious child shows intelligence or skill at a very young age, or behaves in an adult way - sometimes used to show disapproval in British Englishとありました。

これらのことから,precociousにはただ「若い」という意味だけではなく,「年齢に見合う以上の高い実力や能力を持ち合わせる」という意味合いがあることがわかりました。
悲しさに負けず同年代が頑張っていこうとする姿勢に私も力をもらいました。(ゼミ生 pear