常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pitch in

本日(04/25/11)付けのDYに,一度は故郷の仙台を離れた家族がもう一度復興を後押ししようと,仙台に戻ってきたという記事がありました。彼らは,車で何とか被災地から避難したのですが,その時に罪悪感に襲われたようです。
We made it. But after a period of relief, I began to feel a little guilty. Had I left others behind to manage when we should be pitching in too?
今回採り上げるのはpitch inという表現です。pitchというと「(ボール)を投げる」などのような意味を連想すると思いますが,ここではpitch inという形で「協力する」という意味で使われています(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。「協力する」といっても,この表現にはどのようなニュアンスがこもっているのでしょうか。
まず語源を調べてみると,中英語のpichen「突く,刺す,(杭などを)打ち込む」とありました(『ジーニアス英和大辞典』大修館書店)。さらにLDOCEにはpitch inはinformalな表現でto join others and help with an activityと定義づけられています。ここからこの表現には,「何かにみんなで助け合って打ち込む」というニュアンスが強いように感じられます。
何気なく使われがちな句動詞ですが,掘り下げると色々なことが分かってくるのですね。(persimmon柿生)