常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

carom off

最近MLB松坂大輔投手は絶好調のようです。敵地で行われたエンゼルス戦で8回1安打無失点の好投。2戦連続で,7回以上投げて,1安打無失点はレッドソックス史上3人目の快挙だそうです。そんな松坂投手が与えたヒットについてJT online(04/25/11付け)では次のように述べていました。

The only hit off Matsuzaka (2-2) came with one out in the second — a vicious line drive back to the box by Alberto Callaspo that deflected off Matsuzaka's glove as he tried to protect his face and caromed off his glove to shortstop Jed Lowrie. Callaspo just beat Lowrie's throw to first.

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/sb20110425a1.html

今回注目するのはcarom offという表現です。そもそも,carom(n.)はビリヤードで使われている言葉で「突き玉(cue ball)が続けて2つの的玉(object ball)に当たること」を意味します(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。しかし今回の場合は動詞として使われています。そこで辞書を引いてみると,carom offで「衝突してはねかえる」とありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。今回の場合で例えると,cue ballがa vicious line(ライナー性の打球)でobject ballがgloveと考えると想像しやすいかと思います。つまり,gloveにボールが当たって軌道が逸れた様子をcarom offで表していることになります。松坂投手の今後に期待します。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)