常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

自転車操業


先日NHKのラジオでニュースを聞いていたら、MIJ関連のニュースで「自転車操業」が耳に残り、色々と調べてみました。
まずは日本語の意味から。自転車操業とは『《自転車は走るのをやめれば倒れてしまうところから》資金の借り入れと返済を繰り返しながらかろうじて操業を続けること。また、そのような経営状態。』という意味(デジタル大辞泉より)です。
ちなみに近年、自転車操業な人という意味で『チャリンカー』という俗語も生まれたそうです。では英語では何というのでしょうか。辞書を引いてみると、precarious day-to-day management《of a firm》running 《a business》 on a hand-to-mouth basis(『新英和中辞典』研究社)などがありました。
また動詞の表現としてoperate [run] on a shoestringという表現(英辞郎 on the WEB)もあります。
名詞では靴ひもという意味を持つshoestringですが、このフレーズでは「不安定」という意味(『ジーニアス英和辞典』第4版)で用いられています。
 ちなみにBloomberg.co.jpのニュースで実際に使われていました。http://www.bloomberg.com/news/2012-04-12/-newt-inc-bankrupt-as-campaign-operates-on-shoestring.html
もうひとつ。rob Peter to pay Paulという表現もあります。LDOCEによると、"to take money away from someone or something that needs it in order to pay someone else or use it for something else"とありました。今回、 なんとなく調べてみたのですが.「これって英語でなんて言うのだろう?」と考えると改めて日本語の意味すら曖昧なことに気づかされました。以後、言葉と真摯に向き合い言葉の面白さと深みを噛み締めていきたいと思います。