常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

panhandle

先日,田邉先生のお車のラジオから,断片的に流れてきたニュースの真相がわかりました。
今,アメリカで「“黄金の声”をもつホームレス」として話題を呼んでいるTed Williamsさん。彼は路上で物乞いをしているときに美声を披露し,その動画がネット上で公開されるとたちまち大反響となり,ついに仕事まで手に入れてしまったのです。記事はCBS NEWSからの引用です。
In the original video clip, Williams stands near a Columbus highway ramp demonstrating his smooth, deep speaking voice. He holds a sign that asks motorists for help and says, "I'm an ex-radio announcer who has fallen on hard times," but says that he has "god-given gift of voice."
Speaking to a video reporter from the Columbus Dispatch Wililams then demonstrates his soothing croon and explains how he went from a successful career to panhandling.
http://www.cbsnews.com/stories/2011/01/05/national/main7215846.shtml
今回採り上げるのはpanhandleです。辞書でpanhandleを引くと,まず目に入るのが「⦅時にP-⦆⦅米国用法⦆(州境界などの)細長い突出部[地域](▼半島は除く);⦅the P-⦆(特に)テキサス州北部」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)という意味。これは文字通り,土地の形状に由来します。
さらに,アメリカの口語表現で動詞panhandleには「〈人を〉大道で呼び止めて金銭[食べ物]を乞う」(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)という意味もあります。こちらの由来は「差し出した手がフライパンの柄 (panhandle) を連想させることから」です(『研究社 新英和中辞典』研究社)。
たかが声,されど声。声の持つ力のすごさを実感するエピソードです。(院生 小山本)