常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

hail from

先日取り上げた琴奨菊関の記事に,引退した大関魁皇のことについて言及されていました。Popular ozeki Kaio, who also hails from Fukuoka Prefecture, retired recently, many fans in Kyusyu are looking forward to seeing the performance the new ozeki.(DY 09/29/11より)
ここで取り上げる表現はhail fromです。hailの基本義は「〈人〉を[…として]迎える」や「〈物・事〉を[…として]ほめる」なのですが,hail from〜になると,「〜出身[育ち]である」という意味になります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。「〜出身である」という意味の英語にはbe fromやcome fromなどが代表として在りますが,hail fromはどのようなニュアンスがあるのでしょう。
LDOCEによると,old-fashioned to have been born in a particular placeと定義されています。『ジーニアス英和大辞典』(初版,大修館書店)には「古ノルド語のheill(元気な),元気であれ,健康であれ=be thou hailというフレーズ」がhailの由来とありました。さらにインターネットで調べていると,この表現はアメリカよりイギリスでの方がよく紙面で使われるようです。以下が使用例です。
・Mr George, who hails from the city's Wyther Park council…
・Purist opposition Fontana hails from Cleveland, Ohio,…
・We love it here in La Salle because of the space" said ballet teacher Rana O'Brien, who hails from Turkey.
http://www.bbc.co.uk/search/news/?q=hail%20from
以上からhail fromは「元気,快活」というニュアンスがあり,昔の英語であることが分かりました。さらにイギリスでよく使われ,後ろには国名が来ますが,特定の地域を置くことが多いようです。(Sugiuchi)