常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

barn-burning

再び昨日のDY(11/1/10付け)のスポーツ欄から表現を探ります。記事は先ほど扱ったhigh-octaneの記事と同じです(http://d.hatena.ne.jp/A30/20101102/1288690865)。
Thomas passed for 288 yards and Maehl had eight catches for a career-high 145 yards for the fleet-footed Ducks, who racked up 599 total yards in yet another barn-burning offensive performance.
今回取り上げる表現がbarn-burningです。barnといえばすぐ「1(農家の)納屋,物置 2[通例軽べつして]あばら家,殺風景な建物[部屋]」などが頭に浮かぶのではないでしょうか(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。burningの原形burnには「〈物を〉もやす」という意味があります。これらの2つの語が合わさったbarn-burningは文脈上形容詞として捉えるのが自然なので,この語の修飾先はperformanceになります。「納屋が燃える(ような)パフォーマンス」とはどのようなものなのか全く想像ができません。
仕方なく推測するのを一旦やめて辞書を開いてみるとbarn-burnerで「《口》注目を集めるもの,センセーション」という意味を見つける事ができました(『リーダース英和辞典』第2版,研究社)。それが形容詞的にbarn-burningとして使われているとすれば「注目を集めるような,センセーショナルな」という意味になると解釈できます。訳を試みると「センセーションを巻き起こすようなプレー(performance)」とできそうです。
William Fauknerの作品にもbarn-burningという短編小説があります。もしかしたらこのタイトルは上記の意味が反映されているかもしれません。(ゼミ生 camel)