常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

hurl

8月15日はインドの独立記念日でした。その際に行われたセレモニーの最中にジャンムー・カシミールの首相であるオマール・アブドゥラが式に参加していた警官の一人から靴をなげつけられるという事件が起こりました。その一連の事件をJT(2010/08/17付け)が取り扱っています。以下がその記事の見出しです。

Shoe-hurling cop lauded in Kashmir

今回注目する表現はhurlです。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,「…を〈…に〉強くなげつける,ほうり投げる,強く押す,投げ倒す,[悪口,非難]などを浴びせる」とありました。「投げる」と聞くとthrowを思い浮かべますが,hurlを使うことで,敵意がむき出しにされている感覚が伺えます。またLDOCEにはto throw something with a lot of force, especially because you are angry.と記載されていました。このことからもthrowではなくhurlが使われたのだと解釈できます。また文中に他の単語flingも「投げつける」という意味で使われていました。こちらも『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)によると「投げつける,投げ飛ばす,放り出す《throwよりも激しく敵意さえ込めて投げること》」とありました。

 去年の4月にも記者が内務相に向かって靴を投げつけるという事件が起こっていますが,今後もこのような事件をまねしたことが起こりそうですね。次はLbow君お願いします。(yori-money)