常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

実を結ぶ

昨日(7/1),高校時代の仲の良かった友人から「(就職活動で)内定をもらえた」というメールが届きました。本人も大学3年の頭から準備していた事もあり,努力が実を結んだと喜んでいる様でした。今回気になった日本語が「実を結ぶ」です。英語ではどの様に表現できるのでしょうか。
調べてみるとbear / [ produce] fruitという表現を発見しました(『スーパー・アンカー和英辞典』第2版,学習研究社)。bearと聞くと,名詞の意味で「熊」や動詞で「〜に耐える」などの意味が思いつくのではないでしょうか。しかし,この語には他にも「〈花・実〉をつける[生じる]」という意味があり,上記の英語表現でのbearはこの意味がハマります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。また,fruitも一般的な「果物」という意味以外に,「[しばしばthe〜(s)]成果」という意味を持ち合わせています(『ジーニアス英和辞典』同上)。「成果が生じる」つまりは「(結果が)実を結ぶ」ということになる訳です。さらに,堅い文語表現にはcome to fruitionというものもあります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。また,dreams came trueもありますが,ここで触れる必要もないでしょう。
英単語は1単語1意味ではなく,1単語多意味の場合が多く,その中には,今回の様に意外な意味が含まれている事があります。ことばの意味の面白さを感じながら勉強をし,いつかMy efforts bore fruit.と言える日が来るよう,今を頑張りたいと思います。(ゼミ生 gacha)