常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

人間だもの…

鎌倉の実家に猫を飼っているpersimmon柿生です。

最近とてもheatな天気が続いていますね。もう春ではないようです。少し時期は過ぎてしまいましたが,春というのは猫の盛り,いわゆる発情期です。この時期になると猫の鳴き声が極端に変わり,驚いた事を覚えています。では,この発情期を英語で言うと?
『スーパーアンカー和英辞典』(第2版,学習研究社)によると,the mating seasonとあります。しかし,ほかにもっと臨場感を表せる単語はないのでしょうか?ではみなさん,heatを辞書で引いてみてください。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)では,(the)heatで「(雌の動物の)さかり,発情期」とあります。定冠詞theがつくのは動物のさかりは1年のある一時期のみだからです(人間はどうでしょうか?)。ちなみにin heat(米),on heat(英)で「さかりがついて」という表現があります。田邉祐司先生が面白い表現の宝庫と称されたLDOCECOLLINSの両英英辞典ではheatをどのように定義しているのでしょうか?
LDOCE: if a female animal is on heat, her body is ready to have sex with male.
COLLINS: when a female animal is on heat or in heat, she is in a state when she is ready for mating
両定義を眺めますと,性的なニュアンスが含まれていますが,後者の定義の方が表現は丁寧な感じがしますね。このように私たちが何気なく使っている単語にこんな意味があるとは夢にも思いませんでした。蛇足ですが,和製英語のヒートアップはheatにupのニュアンスが入っているので英語的にはNGです。
1つの単語にいろいろな意味が含まれています。英語って楽しいですね。
(ゼミ生persimmon柿生)