常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

field day

今回は『ハリーポッターと謎のプリンス』から英語表現を拾います。
物語はイギリスの首相と魔法省長のファッジとの会話で始まります。以下はイギリスの首相のことばです。
‘It happened just round the corner from here, as a matter of fact. The papers had a field day with it.’
*Itは「ある魔法使いが殺された事件」のことを指します。
field dayの意味に着目していきます。一番知られている意味は,「(学校の)運動会[体育祭]の日」だと思います。ちなみにこの意味でのfield dayをイギリス英語では,sport dayとなります(『ジーニアス英和辞典』初版,大修館書店)。
しかし,上記の英文上での意味は「大喜びして楽しめる時や機会」です。これは特に他人の犠牲で行動・成功する機会のことを指します(同上)。そしてhave a field dayで「(他人を批判・攻撃できる機会を得て)大いに楽しむ」となります。よって,上記の英文では「各紙がこぞってこれを取り上げていたよ」のように訳すことが出来ます。
蛇足ですが,field dayの特に他人の犠牲で行動・成功する機会というところから,「他人の苦しめて得る娯楽」という意味のRoman holidayという言葉が連想されました。(Sugiuchi)