常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

homecoming king

東北楽天ゴールデンイーグルス田中将大投手が被災された方々に元気を与えてくれました。東日本大震災の影響でホームグラウンドであるクリネックスタジアム宮城(通称Kスタ)での本拠地開幕が1ヶ月遅れとなりました。その開幕1戦目を任された田中投手。期待に応え,みごと勝利投手となりました。今回採り上げる表現はDY(04/30/11付け)のスポーツの面からです。以下はその表題です。

Homecoming king
homecoming kingとは一体どのような王様のことなのでしょうか。辞書によると,homecomingは「帰宅;帰省,帰郷;帰国」とあり,kingは「王様」とあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)ここでは,本拠地に帰ってこられたという点から,「帰郷」が適しており,合わせて「帰郷の王様」ということになります。しかし,それではよくわかりません。さらに辞書で調べてみると,homecoming queenで「《米》学園祭の女王《大学[高校]で新学期の9月に開かれる学園祭で選ばれる》」とありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。またインターネットには「〈米〉〔高校や大学の〕ホームカミング◆年に一度行われる旧教職員と卒業生を招待して行う行事。通例9月または10月に行われ、フットボールやバスケットボールなどの他校との対抗試合、祝宴、マーチング・バンドが先導するパレード、ホームカミング・クイーンやキングの投票による選出と「戴冠式」などが行われる」とありました(英辞郎 on the Web)。上記のことから,「本拠地に帰ってきた田中投手がhomecoming kingに選ばれ,その栄誉を称えられている」ということを,今回の表現で述べたかったのではないでしょうか。

なお,ホームカミングはアメリカだけの行事ではなく,近年は日本でも行われています。自分たちの母校であるS大学でももちろん開催されているので,卒業生のみなさまはhomecomingに参加されてみてはいかかでしょうか。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)