常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

frazzled

サッカーJ1ベガルタ仙台は9日, FWマルキーニョス選手との契約を解除したと発表しました。
Frazzled Marquinhos let go
Vegalta Sendai has acceded to earthquake-shocked forward Marquinhos' wishes to be released from his contract, the J.League first-division club announced Saturday. (DY.Online 04/10/11より)
http://www.yomiuri.co.jp/dy/sports/T110409003493.htm
今回拾った表現はfrazzledです。辞書で意味を確認してみると,「すり減らす」「すり減った状態」「すっかり焼けた(疲れ切った)状態」とあり, frazzledで「疲れ果てた」とありました。「疲れ果てた」という日本語には他にもexhaustedやworn outという言葉も当てはまるかと思いますが,LDOCEの定義で比較してみるとそれらの違いが見えてきます。
まずfrazzledですが,これは口語表現でfeeling tired and anxious, for example after a journey or because you are very busyとありました。続いてexhaustedはextremely tiredと説明がされています。最後にworn outに関しては,very tired because you have been working hardとあり,さらに句動詞なのでexhaustedよりもよく使われる表現とされています。以上から,frizzledには「疲れ」に「不安」というニュアンスが入ってくることが分かります。
ちなみに let goは「自由にする」「解雇する」という意味です。(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)
マルキーニョス選手の退団理由は, 東日本大震災による精神的な打撃が大きいというものでした。ここでは,震災で受けた精神的な打撃をfrazzledで表しているのですね。(ゼミ生 カメ女)