常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

come out of the woodwork

CNNにあったWhy can't we predict the next big quake?という記事から英語表現を拾います。
Nor does the earth reliably produce big earthquakes on full moons, notwithstanding the predictions that have come out of the woodwork for the days around this month's especially big full moon. (Recall that the moon was unremarkably new on the day the Japan quake struck.)
http://edition.cnn.com/2011/OPINION/03/21/hough.predict.earthquakes/index.html?hpt=Sbin
今回採り上げるのはcome out of the woodworkという表現です。
まずwoodworkには「木工品, 木細工」や「(家屋内の)木造部分(ドア階段など)」という意味があります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。またこの他に,以前ブログでは「(サッカーの)ゴールポストの枠」(『オーレックス英和辞典』旺文社)という意味で使われていました。
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20100920/1284989627
そして,come out of the woodworkというイディオムには「突然(ぞろぞろ)現れる」という意味があり(『プログレッシブ英和中辞典』同上),ここでは「地震が起こるという予想がしばしば出される」と解釈できます。では,なぜ「木工品から出て来る」というイディオムが上記のような意味をもつようになったのでしょうか。『プログレッシブ英和中辞典』(同上)によれば,この表現は「木工品に巣くうシロアリがぞろぞろ出てくるさま」に由来するそうです。想像すると気味が悪いですが,ぞろぞろとcome out of the woodworkしていたものの正体はシロアリだったのですね。(院生 小山本)