常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

blow one's top

本日のJT Online(01/28/11付け)から英語の表現を拾います。記事は先ほど小山本先輩も取り上げられていたKirishima volcano spewing ashです。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20110128/1296206133
記事と一緒に添えられていた写真の下に以下のような文章がありました。
Blowing its top: Mount Kirishima's Shinmoedake peak, seen from Takaharu, Miyazaki Prefecture, spews ash Thursday morning. KYODO PHOTO
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110128a3.html
今回取り上げる表現はblow one’s topです。blowには「吹き飛ばす」といった意味があるので,blow it’s topはそのまま火山の噴火を表していることがわかります。しかし,blow one’s topには「【頂上[頭]を吹き飛ばす→】かんかんに怒る,怒りを爆発させる」という意味もあります(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。こみ上げた怒りが行き場を失って上に噴火した感じでしょうか。
この関連表現としてgo through [hit] the roofがあります。辞書には「【(かっとなって跳び上がって)屋根を突き破る→】アタマにくる,かんかんになって怒る」と記されていました(同上)。どちらの表現も「上」へと上昇していく印象を受けます。日本語にも「血が上る」という表現がありますし,言語は違っても,「怒り」には常に「上昇」していくイメージが付きまとうのかもしれません。(ゼミ生 camel)