常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

at sea

今年は毎週1冊ずつペーパーバックを読もうと思っているpersimmon柿生です。今回は『ハリーポッターと秘密の部屋』から英語表現を紹介します。

ハリーは2年生になり,夏休み中,ホグワーツ魔法学校に帰ることを心待ちにしていました。そんな学校が始まる日を待っているある夏の日,ハリーの部屋にある得体の知れない生き物が。それはドビーというhouse elfeでした。そしてハリーにホグワーツに帰ってはいけないと言うのです。ハリーが理由を問いただすと,

Slowly, Dobby shook his head.
'Not - not He Who Must Not Be Named, sir.'
But Dobby's eyes were wide and he seemed to be trying to give Harry a hint. Harry, however, was completely at sea.

ここで取り上げるのが,at seaです。直訳では「ハリーは完全に海上にいた」のように解釈できますが,文脈上意味が通りません。辞書にはat seaで「航海中で,海上で」のほかに,「途方にくれて」とありました(『オーレックス英和辞典』旺文社)。この意味の場合は通例allやcompletelyを伴うそうです。

よって太文字箇所は「ハリーは何が何だかさっぱりわからなかった」
と訳せそうです。確かに一人海上に放り出されたら,誰でも途方にくれてしまいますよね。(ゼミ生 persimmon柿生)