常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

敗者復活戦 repêchage

9日から世界柔道2010が東京の代々木第一体育館で始まりました。今日の『読売新聞』(09/10/10)にも男子100キロ級の穴井選手,女子78キロ超級の杉本選手の金メダル獲得が報じられていました。その一方で残念な結果に終わってしまったのが男子100キロ超級で出場した鈴木桂治選手。鈴木選手は一回戦で破れ,続く敗者復活戦でも一本負けを喫してしまいました。今回はDY(09/10/10)の記事から「敗者復活戦」を採り上げます。
That humiliation was deepened when he lost again by ippon in the repechage round.
記事にもあるように「敗者復活戦」はrepechage roundです。この単語はフランス語に由来し,正確にはrepêchageと書き,/rèpəʃάːʒ/と発音します。また,repêchageは英語でいうrecuperate(回復)に相当します。また辞書にはrepêchageの他にconsolation matchという表現もありました(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。
鈴木選手は各国の選手に研究し尽くされているとはいえ,その実力は間違いなく世界トップレベル。前回に北京五輪での一回戦敗退に続き,今回の敗退の原因は精神的なものなのでしょうか。東京高師卒業生で,柔道の創始者(かつ英語も達人であった),嘉納次五郎先生も泣いていると思います。日本の国技という重圧をはねのけ,もう一度立ち上がってほしいと,個人的には思うのですが。(院生 小山本)