常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Let bygones be bygones

少し前のDY(08/20/10付け)の小見出しに面白い英語表現がありました。以下はその見出しです。

Let bygones be bygones
Two decades after Soviet troops left Afghanistan following years of war, Hamid Karzai asks Dmitry Medvedev if Russia will help his nation.

見出しの“bygone”を辞書で調べてみますと,名詞形で「[〜s]過去;過去の不祥事」という意味があり,さらに下に目をやるとこの見出しは「過ぎたことは過ぎたことにしておけ」という意味のことわざであることがわかります(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。同辞書にある「ことわざの極意」というコラムには,「▶日本では『(過去のことは)水に流せ』と言うが,これは四方を海に囲まれ川の多いわが国ならではの発想」と書かれており,ことわざにおける日米の文化比較がされています。

Tom Hanks主演の映画The Green Mile(1999)の一節にもこのことわざが使われていました。人の病を治癒する能力を持つ大男が死刑を執行するトム・ハンクスに残した言葉だったと記憶しています。
http://www.eonet.ne.jp/~syumi-eigo/greenmile.html

アフガン政権を握るカルザイ氏とロシアのメドベージェフ大統領は過去の出来事を乗り越え前に進めるのでしょうか。両国の関係がにじみ出ている見出しでした。(ゼミ生 camel)