常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

schmooze

連日テレビなどのマスメディアや街角で見かけることがないくらい、アイドルグループ「AKB48」が人気ですね。私の周りにもAKB48の大ファンが何人かいます。そんな彼女らの活躍やグループの特徴をJT(2010/08/24付け)がインタビュー方式で取り上げています。握手会(meet-the-fans hand-shaking encounter)を行い,ファンとの距離感を大切にしている彼女たちの様子を伝える本文の内容から気になった表現を取り上げます。

When the group isn’t appearing before the cameras, at least one of its teams performs daily at a small theater in the district the group’s letters presents−Tokyo’s Akihabara electronics and geek mecca−where between performances fans have an opportunity to schmooze with the members.

 今回注目する表現はschmoozeです。発音は/∫mu:z/。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,名詞では「ばか話,おしゃべり」,動詞では「(…と)ばか話[おしゃべり]をする」とありました。「おしゃべり」と聞くと,私はまずchatを思い浮かべたのですが,両者の何が違うのでしょうか。そこでLDOCEを引いてみると,chatはto talk in a friendly informal way, especially about things that are not importantとあり,schmoozeはto talk in a friendly way about unimportant things at a social event, especially because you want to gain an advantage for yourself laterとありました。schmoozeは社会的イベントで話すとき,また何かしら後の自分に優位なことを望んでいる場合に使われるようです。

 確かにAKB48が開催する握手会は社会的ですし,ファンがメンバーと話すことで,今まで以上に彼女らを好きになることができます。またAKB48にとってもファンと直接おしゃべりをすることでファンからの人気を維持することができます。これらの点からchatではなくschmoozeが使われたのではないでしょうか。

 メンバーの総選挙やAKB48の地方版を次々と誕生させるなど,話題性に欠けないアイドルなので今後も目が離せませんね。次はLbow君お願いします。(ゼミ生yori-money)