常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

camelの教員採用2次試験の感想

先日神奈川県教員候補者採用試験の二次試験を受けてきたcamelです。自分の志望している高校英語の試験は8月11日〜12日に行われ,私の番は12日目でした。まだ他教科で二次試験は続いておりますので,具体的な試験内容の記述はこの場では避けたいと思います。ただ,二次試験で行われる模擬授業,個人面接の率直な印象や感想を当たり障りのない程度で綴らせていただきます。
模擬授業では試験官と他の受験者の前で10分間,与えられたテーマに沿って授業を行わなければなりません。今年の授業テーマは神奈川県教育委員会のホームページに掲載されていた通り「習得した基礎的・基本的な知識及び技能を活用して、問題解決を図る活動を重視した授業 」でした。高校生の「基礎的・基本的の知識」とはどのような知識だろうか,またその知識を活用して10分以内に解ける「問題」とはどんなものだろうかということを常に意識して教案書(Lesson Plan)の作成にあたりました。なお英語受験者は日本語と英語による教案書が必要となります。感想はやはり受験者は皆,死に物狂いで教材研究をしてくるということです。教材研究をいくらしても本番で失敗したら一巻の終わりです。10分という刹那に過ぎてゆく時間の中で,自分が表現できるベストのパフォーマンスをする難しさを知りました。先生が以前おっしゃっていたように,失敗が許されない雰囲気の中で立つ「教壇」は大観衆の前で演じる「舞台」のように見えました。スポットライトが当たった「舞台」の上でいかに生徒を魅了して,自分の意図する世界観に生徒を巻き込めるかが勝負のように思いました。
そして二次試験の目玉は何と言っても個人面接ではないでしょうか。一次試験と決定的に違うのは,一次試験は筆記試験で客観的な受験者の持つ能力を総合的に評価しているのに対して,二次試験は能力というより受験者の内面的な人物像を評価している点だと思います。したがって質問の内容もこの受験者は本当に教員としての「資質」を兼ね備えているのかを確かめるようなものが大半だったような気がします。筆記試験では客観的な能力を評価するために答えを一つに定めなければなりませんが,面接試験では人物を評価するので絶対的な答えを設ける必要がありません。逆に答えがないものに唯一的な答え方をしたら偏狭な考えの持ち主というマイナス評価をされてしまうかもしれません。ベターな答えはあったとしてもベストはないのです。なので,面接者の質問の仕方も模範「解答」を求めているというより自分の「回答」を求めているようでした。自分の教育に傾ける熱い想いをどのように相手に表現するかを念頭に置いて質問に答えました。もちろん,人物評価ということは相手に伝える内容だけではなく言葉遣いや姿勢,声量,身だしなみも重要な評価観点に入るので試験中は細心の注意を払いました。この点で先生が担当されている「英語科教育論 I」の授業で行った面接練習は大変役に立ちました。
模擬授業や個人面接を通じて大切なのは直前の準備ではなくて,普段からどれだけ意識して「英語教育」を考えているかということなのだなと試験を終えて痛感しました。模擬授業で使う英語であっても普段から勉強していなかったら本番で急に英語は出てきません。個人面接の直前で参考書を開いて教育問題を考えても,短期間でわかるほど教育問題は単純で簡単ではないと思います。自分も二次試験を終えたばかりで決して大口はたたけませんが,一次試験と同様に二次試験も長期的な視野で取り組んで行く必要があるようです。まだ英語の実技試験が控えていますので,最後まで気を抜かず精進していこうと思います。長々しい駄文を読んでいただきありがとうございます。(ゼミ生 camel)