常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

台風の目

台風4号が発生していますね。台風は英語でtyphoonですが, 台風の目は英語で何と言うのでしょうか。気になったのでさっそく調べてみました。eye of the storm やstorm center という呼び方もありましたが, bull’s eyeという呼び方も発見しました。
bullというと雄牛を思い出しますが, なぜbullの目なのでしょうか。
ジーニアス英和辞典』(第4版, 大修館書店)によれば, bullには「雄牛」以外に「(米俗)警察官・刑事」,「強気筋」,「的の中心, 金的」という意味があることがわかりました。台風の目のbullは「的の中心」という意味から来ているのですね。ちなみに,「強気」という意味があるのは以前にもこのブログでとりあげられています。
http://d.hatena.ne.jp/A30/searchdiary?of=5&word=bull%20
また, bull’s eyeで「台風の目」以外には「(ダーツ・アーチェリーなどの)的の中心」, 「的を射た行為(発言)」という意味があり, hit (score) a bull’s-eyeで「的を射る, 成功する」とありました。
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20100531/1275252665
英辞郎 on the WEBでは;
・Bull's-eye! 「〈俗〉大当たりだ!・やったぜ!」
・make a bull's eye「 的の中心に当てる、命中する」
・make a bull's-eye landing「目標地点に着陸する」
とありました。先生が以前,コメント欄でこの表現を使用されていたこともあります。
ダーツの的と台風を見比べるととても似ていますよね。周りの渦や中心(目)があるところがそっくりです。


最後に蛇足ではありますが, bullには他にも動詞で「(値を上げようと)買いあおる」や「(計画などを)無理に押しとおす」という意味があり, bull one’s wayで「力ずくで進む」とありました。bullにもたくさん意味があることが分かりました。次回はpearさんです。(ゼミ生カメ女)