常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pepper

今回は久しぶりにW杯関連の記事から英語表現を取り上げます。
準決勝第2試合ドイツ対スペイン。下馬評では,勢いのあるドイツが勝つのではないかと予想されていました。しかし,蓋を開けてみるとスペインが1対0で勝利。そして試合内容は点差以上に開きがあったようです。その様子がTHE DAILY YOMIURI(7/9/10付け)から読み取れます。以下の英文を見てください。
They pressured Germany the entire match and peppered its goalkeeper so many times a score seemed inevitable.
今回はpepperという動詞の用法に注目していきます。pepperと言えば,まず思い浮かぶのがコショウでしょう。しかし,上記の英文では動詞として使われています。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によるとpepperの動詞用法として「一面に降りかけられている,ばらまかれている」,さらに「(小石・こぶしなどで)立て続けに打たれる,(質問・弾丸などを)浴びせられる」とありました。ここから「スペインのシュートが雨あられのようにドイツのゴールキーパーを襲った」情景が浮かんできます。
一見pepper(コショウ)というと,少し拍子抜けするような印象を受ける人もいるかもしれませんが,良く調べてみると主観的な印象とは違った意味合いを持っていることがわかります。辞書を使い,丁寧に英語に接する事の大事さを教えてくれた今回の記事でした。(ゼミ生persimmon柿生)