常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Mountains are smiling?

みなさん、こんにちは。田邉ゼミ3年のLbow-Shoulderです。

本日(10/04/19)田邉祐司先生と1限の教室へ向かう途中、生田緑地の周辺を歩きました。ようやく気温が温かくなり(でも来週はまた寒くなるそうですが…)、春らしくなってきた生田緑地の絶景には本当に心が安らぎます。

この時、田邉先生から「山笑う」という言葉を教えていただきました。そもそも「山笑う」とは、中国から移入された言葉で,日本では俳句の季語になっているそうです。寒い冬が終わり,春になって草花が「新たな生」を得て,生き生きしている状態のことを指します。まさに今の生田緑地がそうです。

では、英語で「山笑う」とは何と表現すればいいのでしょうか。laughなのか smileなのか。これを英語感覚で処理することは難しいと思いますが,bud (芽吹く)という動詞を中核にThe plants/trees begin to bud.あたりでしょうか。ちなみに『ジーニアス英和辞典』(第4版, 大修館書店)によると、budには「<木・花などが>芽を出す;つぼみをつける」という意味があります。でもこれだけは「冬→春」というニュアンス,さらには比喩がうまくでないので,It seems as if あたりではじめてIt seems as if the trees begin to bud.とするともう少し「すわり」がよくなり,さらにThe grass is green once again with the arrival of spring. とつなぐと,春のよろこびを伝えることができるような気がします(英語ではEasterなので,それを使うことも可能でしょう)。ただ,Haikuの世界をのぞいてみますと,あえてMountains smile.的な直訳で擬人的な不思議なニュアンスを出そうとする試みもあるようです。

余談ですが、季語の「山」シリーズには春夏秋冬それぞれあり、春は「山笑う」、夏は「山滴る」、秋は「山粧う」、冬は「山眠る」などが挙げられます。「山笑う」には、正岡子規の俳句がありますね。

英語学習者としてin the budな私ですが、田邉先生から肥料を与えていただいて、卒業する頃にはきれいな花を咲かせます。「badにならないように、しっかりと目標に向かって頑張ろう!」そう思わせてくれた、パステルカラーの生田緑地。悩み事などがあればピクニックでもして,気分転換するのもいいかもしれませんね。(ゼミ生 Lbow-shoulder)