常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

近況報告#3

2009年3月に専修大学田邉ゼミを卒業し,同年4月に立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科に入学しました。時が過ぎるのは速いもので,もう修士課程の2年目です。今年は修士論文を書き上げなくてはならない勝負の年となります。
研究に関しては,何とか方向性も定まり,少しずつですが前進し始めました。研究分野は,吹き替えや字幕などの翻訳を扱う「視聴覚翻訳研究」です。「視聴覚翻訳」は字数・時間数の制限のある中で翻訳をしなくてならないのが特徴です。この分野は,90年代以降に研究され始めたのですが,翻訳研究の中でも特に未開拓の分野であり,多くの記述的研究及び創造的実践の場であると言われています(マンデイ,2009,p. 319)。
以前,田邉先生に研究で重要なのが「切り口」だと教えていただきました。ところが,その切り口に出会うのが難問で,わたしの場合,しっかり1年かかってしまいました。あーでもない,こーでもないと煩悶したあげく,見つけたのが「ユーモア」でした。
「ユーモア」は文化的・言語的背景が必然的に関与するため,その翻訳は容易ではありません。また,一般的な翻訳と異なり,制限がある中での翻訳は,それ自体が困難を伴います。これら2つの難題を結びつけて研究し,その翻訳の特徴や傾向を考察することで,視聴覚翻訳研究においてユーモアを理解し,翻訳する際の指針になればいいと考えています。
現在は就職活動と自分の研究を同時に進めており,うまく両立出来ているかは分かりませんが,どちらもうまくいくよう,今まで以上に1日1日を大切に過ごしていく次第です。(卒業生 ハゲ尾)