常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ward off 復習

 今回の九州北部豪雨で大きな被害を受けた大分県日田市では伝統の夏祭り「日田祇園」が開催されました。

Warding off evil
Yamaboko floats are paraded Saturday as part of the Hita Gion Matsuri festival that continued on Sunday in Hita, Oita Prefecture, a city that was recently hit by torrential rain. “[The Hita] Gion [Matsuri] is a festival to drive away evil. I want to gather around yamaboko to pray for residents’ health and peaceful lives,” one resident said.

http://the-japan-news.com/news/article/0003836393

今回は見出し語の”ward off”を取り上げます。意味は文脈、あるいは“ward”の原義「見張る、看護する」に関連したものになるのではないかと推測できます。辞書には”ward off”で「(危険、病気、攻撃など)をかわす、防ぐ」とありました(『ジーニアス英和辞典』)。また、3文目の”drive away”も同じような意味で使われていることが分かります。
いずれも豪雨の被害を”evil”で表わし、それを払いのけるようなニュアンスで使われているのだと思います。
 「日田祇園」はおよそ300年前の江戸時代から続く由緒あるお祭りで、去年12月にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。今年は豪雨を受け、開催するかどうか検討が行われましたが、復興を願うためにも主催者側は予定通りの開催を決定しました。被害の悲しみや苦しみをward offしようとする気持ちが報われ、早く復興することを一大分県民として望みます。 (MMF)