常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

shanghai #2

 先日、現在公開中の映画『La La Land』を今更ながら観に行ってまいりました。
映画の中の台詞で「騙された」ことを“shanghai”を用いて表現していたので取り上げたいと思います。
 『ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「…に(無理に・だまして)させる」とありました。
スクリプトを確認したところ、作中では“I got Shanghai’ed.”と“get”と共に使われています。
 『ブルーワー英語故事成語大辞典』(大修館)も見てみると“Shanghai, To”で「(酒・麻薬などの)無法な手段で船に連れ込んで水夫にする」があり、古い海事用語だということがわかりました。お酒や麻薬で意識の無い状態にさせて、乗組員を必要とする外国行き船舶に乗せるという意味になります。
「奴を長い航海に出せ」を“ship him to Shanghai”(上海まで船で送れ)という言い回しがあり、そこから“shanghai”には上記のような意味を持つようになったようです。
 また、題名の“La La Land”ですが、映画の舞台となった「ロサンゼルス」の意味と「夢の国、夢想の世界」を表します。『英辞郎 on the web』でも「〔麻薬や酒に酔ったときに味わう〕陶酔境、恍惚、我を忘れた境地」とありました。♪ラララ〜というハミングからきているという見方があるようです。
 あらすじだけでなく、題名の意味も知っておくと洋画はより一層楽しめることが今回の鑑賞で痛感いたしました。(flyingbird)

shanghai into~ - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から