常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

cosmonaut

カザフスタンにある「バイコヌール宇宙基地」は世界で唯一、個人向けに宇宙飛行を提供している所です。プロの宇宙飛行士2人を含め3人で国際宇宙ステーションへと出発するのですが、その10日間の旅の値段はなんと3500万ドルだそうです。

Baikonur is the only place in the world offering space flights for private individuals and so far eight people have taken up the offer since 2001, spending around 10 days on the International Space Station (ISS) with two other trained cosmonauts or astronauts.

http://edition.cnn.com/2015/07/17/travel/baikonur-cosmodrome-kazakhstan-cosmonaut-space-tourist/index.html?hpt=travel_hp_herobox

今回は”cosmonaut”を取り上げます。
宇宙飛行士といえば記事でもorの後にある”astronaut”の方がよく知られていると思います。”cosmonaut”と”astronaut”の意味の違いですが、『ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)』によれば”cosmonaut”とは「〔通例旧ソ連の〕宇宙飛行士」であり、「<米国の宇宙飛行士はastronaut>」であると書かれています。LDOCEで”cosmonaut”を引くと”an ASTRONAUT from the former Soviet Union”と定義されています。

記事の「バイコヌール宇宙基地」というのは、1995年にソビエト連邦によりミサイルの発射場として建設され、現在は宇宙基地としてロシアが所有しているのだそうです。そのため記事の中では”cosmonaut”の方が頻繁に使われています。
“astronaut”はアメリカ、”cosmonaut”はロシアというどちらの国の機関によって選ばれた宇宙飛行士であるかが呼び方の決め手となります。またそれぞれ宇宙飛行士になれる年齢などにも違いがあるようです。

最後に、“astronaut”と”cosmonaut”の語源を調べてみたところ、ギリシャ語で”astro”は”star” 、 “nautes” は“sailor”を意味し、”cosmo”は元々ロシア語の”kosmo”から来ており、それにギリシャ語の“nautes”が合わさった言葉だということです。(bookmark)