常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

garn

映画『My fair lady』からです。この前の勉強会で発表した表現なのでゼミ生のみなさんには復習になってしまいますが、自分の英語だけでは伝えきれなかった部分もありますので、改めて記事に書きおこしました。

“Garn” は、ヒロイン Eliza が Higgins教授に “Chicken, cackling in the barn. Just like this one.” と、馬鹿にされた時に言い放った言葉です。『ジーニアス英和辞典第四版(大修館書店)』には載っていませんでしたが、『Wikitionary』には “go on” のロンドン訛り(cockney) と載っていました。

つまり、このシーンでの“Garn”が意味するのは、大げさな言葉や嘲りに対しての「続けなさいよ!」や、「冗談はよせ!、ばかな!、まさか!」とうことがわかりました。ロンドン訛り(cockney)を使うことで、ヒロインElizaが、労働者階級であることを表しているのです。

ちなみに、このロンドン訛り(cockney)ですが、汚い英語だとして上流階級から避難を受けることが多いそうで、『My fair lady』でもそのように扱われており、Elizaのロンドン訛り(cockney)を更生させるストーリーになっています。

“cockney”の語源を『Online Etymology Dictionary』調べてみると、“cock(おんどり)+ei(egg、卵)”で「おんどりがうんだような形の悪い卵」を意味しており、それが「甘やかされた子、だめな子」となり、「ロンドンっ子」となり、さらに「ロンドンのEast Endに住む人」を指すようになったようです。

また、ののしり言葉の“Damn”を遠回しに言った“Darn”を、さらにソフトにしたのが“Garn”ではないかと、先生は推測されていました。

それにしても、同じ英語でも生まれ育った地域でアクセントや使われる表現が違うということは深遠で、英語学習者の私にとっては高い壁だと感じました。(Five)

cf. Online Etymology Dictionary