常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

rack up 復習

 将棋の藤井総太四段がプロデビューから1年1か月で通算50勝という最速記録を打ち立てました。

'Fujii fever' fires up again: Shogi prodigy hits 50 wins at record-breaking pace

OSAKA -- Junior high school shogi prodigy Sota Fujii racked up his 50th win since his professional debut last winter, breaking yet another record.

http://mainichi.jp/english/articles/20171122/p2a/00m/0na/013000c

 気になった表現は“rack up”です。「(得点)をあげる」という意味で使われていることはブログで今まで何度も取り上げられてきましたが、語源についての言及があまりされていなかったので調べてみました。Online Etymology Dictionaryでは“probably from method of keeping score in pool halls”とあり、“pool hall”つまり「ビリヤード」に関する表現であることがわかりました。“rack”を『ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)で引いてみると「(米)(ビリヤード)ラック」とあり、球を並べる三角の形をしたものを指します。
 調べていく内に「拷問台」というワードが出てきたので紹介します。“rack”の名詞では他にも“the”がついて手足を引っ張る昔の「拷問台」を表します。『ブルーワー英語故事成語大辞典』(大修館)によると、この「拷問台」は1447年にエクセター公がロンドン塔の城守となった時にイングランドにもたらされたことから別名“The Duke of Exeter’s daughter”と呼ばれたそうです。
 喜ばしいニュースから脱線してしまいましたが、身近な単語の語源や他の意味をたどると歴史や背景を学ぶことができると改めて感じました。(flying bird)

rack up - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

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rack up#3 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

rack up 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

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