常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

modus operandi #2

Spamhausというスパム対策のブロックリストを直接ハックした容疑で逮捕された男の話題です。The Guardianから。

The man who 'nearly broke the internet' | Technology | The Guardian
Kamphuis has yet to be tried, but Spanish police believe they know his modus operandi. "He brought together hackers from around the world to launch the attacks. It is obviously not all over yet, because the Dutch have been under attack again in recent days – presumably as revenge by his friends.

赤字のmodus operandiを扱います。こちらは、すでにUG先生がM.O.という略式にて扱っておられますので、意味は皆様御存知でしょう。modus operandiは、「(仕事の)やりかた、運用方法」さらには「(犯罪の)手口」という意味で使用されるラテン語です(『リーダーズ英和辞典』)。複数系はmodi operandiとなります。複数形の場合のmodiは、modusが-usで終わるので、-usを取って-iをくっつけます(逸見『ラテン語のはなし』大修館)。

興味深い表現なので、今回は、単語レベルで見てみることにします。まず、modusですが、第一義に“a measure, extent, quantity”とあります(Elementary Latin Dictionary)。さらに突っ込んで見ていくと“a way, manner, mode, method, fashion, style”という意味合いを見出すことができます(同上)。もうおわかりだと思いますが、英語のmodeの語源は、modusであることがわかります(『リーダーズ英和辞典』)。

一方、operandiです。こちらは一見して、英語のoperateに似ています。こちらは、研究社『羅和辞典』(1952年)によるとopera「労働、苦労、働き」という意味で載っています。さらにこの語源は、opusで「業、仕事、働き、活動」(同上)。ちなみに、英語ですと同じスペリングで「(作家・芸術家などの)作品、仕事」を指します(『リーダーズ英和辞典』)。ちなみにoperaは、oeuvreとしてフランス語になり、ちょっと遠回りして英語でも使われるようになりました。こちらの意味では「(一人の作家・芸術家などの)一生の仕事、全仕事、全作品;(一つの芸術作品)」となります。

ほかにもmodusを使った表現もありますので、調べてみると面白いかもしれません。(Othello)

C.f. M. O. - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

追記
辞書を読んでいたら、oeuvreという単語に出会いました。operaは、後にフランス語としてoeuvreになり、ちょっと遠回りして英語でも使われるようになりました。こちらの意味では「(一人の作家・芸術家などの)一生の仕事、全仕事、全作品;(一つの芸術作品)」となります。