常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Where's the beef?

UG先生からのご質問質問を頂きました(Where's the beef? - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から)。ご質問の内容は、「以下の記事のリードの意味は何か」です。今まで以上に自信はありませんが、ご指名質問に挑戦してみようと思います。


Many American travelers think of McDonald's as a guilty pleasure - a greasy, air-conditioned taste of home when sensory overload kicks in.


最初のguilty pressureに関しては、以前のGP君の記事(guilty pleasure - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から)の通りです。「わかっちゃいるけどやめられない」ですね。この記事のリードにおいては、後半のsensory overload kicks inがだいたい同じ意味合いを帯びているように思えます。greasyは、grease + y。つまり「脂ぎった」です。


しかし、この記事の難しいところはair-conditioned taste of homeです。このair-conditioned taste of homeの意味について、結論から申し上げると「自分が慣れ親しんだ、あのいつもの味」のようになるかと思います。


次に、どんな方法でこの結論に至ったのか記してみたいとおもいます。まず手持ちの辞書から意味を考えてみました。調べてみるとほとんどの辞書では「空気を(一定の温度に)調節した」以上の意味は見つかりませんでした。さらにOxford English Dictionaryを見てみても同じでした(1909年が名詞としてのair conditionの初出であるという事には驚きました)。ネットで調べてみても、あまり意味がわかりませんでした。そこで辞書にある意味から、air-conditioned tasteを考えてみると「taste(味)を一定のレベルに調節した」という意味が導き出されました。またairに「外見;様子」という意味もあるので(『リーダーズ英和辞典』研究社)、そちらも関係しているのではないかと思います。さらに、マックは、世界中のどのマックでもだいたい同じ味がしますが、マックのhome=アメリカ、taste of home = アメリカの味ということで「慣れ親しんだ」と解釈しました。それとair-conditioned taste of homeについては、マック本社のホームページの説明、とくに次の箇所も参照しました。


“you can still walk into almost any McDonald's and get those two all-beef patties with special sauce, lettuce, cheese, pickles, and onions on a sesame-seed bun that you've come to know and love.”


最後に、わたしはアメリカ人ではありませんが、海外に行くと必ずマックに行きます。それは、各国のマックの味やサービスの微妙な差異を楽しむためです。そして、一番心に残っているのは、オーストラリアに留学した時に友人と食べたハンバーガー(確か名前はBig OzかOz Mac?)です。(Othello)