常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

All due respect

今回はプリズン・ブレイクの第4話から英語表現を紹介します。
マイケルは無実の兄を刑務所から助けるために,わざと銀行強盗をし,刑務所に入りました。そこで兄と脱獄を試みているのですが,刑務所の外ではマイケルの計画を邪魔しようとSecret Serviceが動いています。そこで黒幕の女性とSecret Serviceが電話でマイケルについて話しているのですが,どうやら彼らはマイケルが何かをたくらんでいると踏んでいるようです。以下は,電話でのやり取りです。
Woman: How’d we miss this, guys?
Secret Service: Scofield’s father was out of the picture by the time he was born. He took
his mother’s maiden name.
W: All right, Scolfield had no priors and s full-time job as an engineer.
SS: Correct.
W: Then he goes and robs a bank discharging a gun in the process, so that at sentencing
he could maneuver his way to Fox River where his brother’s scheduled to die in less than a month. Obviously something’s up.
SS: All due respect, brothers are incarcerated together all over the country.
ここで採り上げるのはAll due respectという表現です。dueには形容詞で「必要なだけの,十分な」という意味があります(『オーレックス英和辞典』旺文社)。よって,太文字箇所は「必要なだけの尊敬」のように直訳調では訳せますが,それでは後のセリフにつながっていきません。実はAll due respectは,相手に対して反論する時の丁寧な前置きなのです(同上)。『オーレックス英和辞典』(同上)には,「失礼ですが」や「もっともですが」の訳が紹介されていました。ちなみにDVDの日本語訳では「良くある話ですが」と上手く表現されています。
英語には敬語がないと言われていますが,丁寧な表現はあります(当たり前ですが)。今回はその一例でした。(ゼミ生 persimmon柿生)