常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

つながる喜び: 閉所恐怖症

ゼミでは,4冊の単語帳を1年間の予定で仕上げますが,前期の1冊目は『語根で覚える英単語』(研究社)です。今日は「Show & Tell通訳練習」の前に,語源を覚える手法を,田邉祐司先生から教えて頂きました。そのことを踏まえて以下の文章へと移ります。
ゼミを終えた帰り道,田邉先生とご一緒して,同じエレベーターに乗りました。既に多くの学生(すべて女学生)が乗っていたため,エレベーターの中には一種の「圧迫感」が漂っていました。先生は狭くて圧迫感のある空間を好まれません(まぁ,好きな人はいないと思いますが)。箱(car)を降りて,解放された後,この感情に即した単語を1つ教えて下さいました。そして,「close」の語源をチェックしてみなさいとも言われました。
それは,claustrophobiaという単語でした。(以前のブログのコメント欄にphobiaとphileが書かれていたような…)辞書には,「閉所恐怖症,不自由感,息苦しさ」といった意味が載せられています。(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)
この語のsuffix (接尾辞)はphobia。同じく辞書で引いてみると,「…恐怖症,…嫌い」とあります(同上)。では,ここのprefix(接頭辞),claustroには一体どんな意味があるのでしょう。
上記の辞書にはそこまで記されていなかったため,図書館に行って語源辞典で確認しました。すると,発見した辞典,『シップリー英語語源辞典』(大修館書店)には以下のように記されています。
 「claustrophobia: 閉所恐怖症 → claw」
 「claw: ラテン語clavis(鍵)は,動詞claudure,daus-(閉じる)の同系語である。
 (途中省略)…<close参照>」
この情報からcloseを同書で確認してみると,説明が次のようにされていました。
「名詞,形容詞,副詞,動詞として使われるcloseは,すべてラテン語claudere,claus-(閉じる: to close)が語源であり,形容詞の語尾の-seが音を保っているのは…(以下省略)」とあります。」
実は自分で調べる前に,研究室近くで,田邉先生からすでにclaustrophobiaの語源は,教えて頂いていました。しかし,改めて自分で調べることで,さらに,この語が頭に刻み込まれたことも確かです。今日のゼミで田邉先生も仰っていましたが,やはり,「理解できる」,「納得できる」となんだか嬉しいものです。そういった喜びを感じながら,語源の知識を蓄え,語彙力増加につなげていきたいと思います。(by gacha)