常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

tether

UG先生と親友Charlie Browne先生(M学院大教授)。両先生の共通の趣味は車だけに留まりません。Apple社のMacもその1つ。特にBrowne先生はMac関連製品をすべて,しかも最新のものをお持ちです。ということは,そう!Browne先生の次の狙いはもちろんiPadです。
一方,田邉先生は慎重派(think before he leaps)。車もMacも初期トラブルが付き物ですので,いつも最初は様子を伺い,初期トラブルの報告を把握しながら購入されます。
ある日,Browne先生の研究室で,両先生がiPad購入について話されていました。
iPadが待ちきれないといった様子のBrowne先生に対し,田邉先生はちょっと待った方が良いという提案されました。理由は先に述べた通りです。それに対してBrowne先生は一言,“Just a tether.”
今回はこのtetherを採り上げます。正直に言いますと,そのときは全く意味がとれませんでした。そこで後ほど辞書に相談してみましたが,tetherについては
「1.(動物の)つなぎ綱[鎖]2.(体力忍耐などの)限界」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館
「(牛・馬などをつなぐ)つなぎ縄[鎖];(能力・財力・忍耐などの)範囲,限界」(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)
「(動物の)つなぎ綱[鎖]」(『アドバンストフェイバリット英和辞典』東京書籍)
しかありませんでした。そこで田邉先生にご相談させていただくと,tetherは今や「携帯情報端末」(日本語ではPDA(Personal Digital Assistant)としてしられています)として使われるようになっていると教えていただきました。この意味は,まだ日本の学習辞書には載っていないようですが,実際Googleのimage検索で“tether”と入力すると,iPhoneを中心に携帯情報端末の写真が出てきます。
よって,Browne先生の“Just a tether.”は「しょせん端末機。不具合があれば,本機とは違ってすぐ変えられる。」というような意味だったと考えられます。(ちなみに大ヒットSFドラマStar Trekにphaserというgadgetが登場しますが,関係はあるのでしょうか...。)
やはり,言葉は常に変化する流動的なものなのですね。(院生 小山本)