常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

tether 復習

日本で一番高いビルである「あべのハルカス」で地上300メートルの屋外デッキを命綱を装着して歩く「EDGE THE HARUKAS(エッジ・ザ・ハルカス)」と呼ばれる新しいアトラクションが3月7日から始まります。

A heart-pounding attraction atop Japan’s tallest building — where visitors can stroll along a narrow outdoor observation corridor overlooking Osaka — was unveiled to the press Wednesday, a week ahead of its official opening.
“Edge the Harukas,” located on the roof of the 60-story, 300-meter-high Abeno Harukas building, provides a sky-high view for those brave enough to traverse the 20-meter-long ledge while tethered to the building.
以下省略

https://www.japantimes.co.jp/news/2018/03/01/national/japans-tallest-building-unveils-open-air-rooftop-attraction-overlooking-osaka-brave-heart/#.Wpmcd7puLIU

今回取り上げる単語は tether /téðɚ(米国英語), téðə(英国英語)/ です。今回は記事とともに動画も公開されていたので、その様子から「つながれている」という意味で用いられていることは容易に想像できました。すでにケータイの「テザリング機能」としてこの言葉も次第に浸透しつつあると思いますが、tetherは「〈牛、馬を〉つなぐ(+up)〔to〕、〔比喩的に〕縛る〔to〕」という意味を持っています。(『ジーニアス英和辞典』第5版(大修館))

同辞書によるとこの単語は名詞で「(牛馬をつなぐ)ロープ〔鎖〕、足かせ」「(知識、権威などの)範囲、領域」を表し、at [in] the end of (one’s) tetherで「限界に達して」という意味を成すと記載されていました。しかし過去のブログを参照してみると最近では「携帯情報端末」という辞書には載っていない意味で用いられることがある、ということが分かりました。

上述の「テザリング」という言葉は、この単語のことを指します。このように後から別の意味を持ったり、新しい言葉が生まれたりすることは日本語と同様に決して珍しいことではありません。今後はそのような語にも注意を向けていく必要があると感じました。(ko-chi)

tether - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
tethering - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から