常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Goalfest at the Bridge

田邉祐司先生の問いかけ第三弾に挑戦したいと思います。太陽が沈み,辺りが暗闇(pitch-dark)に包まれた(a cloak of night)頃,大学のA-30研究室でひっそりと行われるのです(フフフ…)。
最初はTHE DAILY YOMIURI(4月27日付け)の記事を読まれていた先生のさりげない一言からでした。
「ここにあるGoalfest at the Bridgeとはどんな意味か?」
これは紙面の左側にある小見出しにあった表現でした。イングランドプレミア・リーグのChelseaがStokeを7−0の大差で破ったことを伝えたものでした。
裏ゼミ生も必死に知恵を振り絞って答えようとしますが,正解にたどり着けません。その後の先生の解説によると,この表現には2つひねりが加えられているとのこと。
一つ目は,goalfestという単語。辞書で探しても,このような単語はありません。これはgoalと-festという語がくっ付いた合成語(compound)です。『ジーニアス英和辞典』(第4版 大修館書店 )で-festを調べると「《米》(にぎやかな)祭,集まり」という意味が見つかりました。用例には「songfest 合唱祭/peacefest 平和の集まり」などの例がありました。文脈に則して訳すと「ゴールラッシュ」や「ゴール量産」などと訳せるでしょう。(festival, estival, aestivalなどのお祭り用語をチェックのこと。by UG)
二つ目は,at the Bridgeという語句。辞書でbridgeを調べても,文脈にあうような表現は見つかりませんでした。先生も,確信は持てないが,おそらくこの表現はHoratius at the bridgeというローマの勇士Horatius Coclesの故事から来ているのではないだろうかという推測を呈されました。彼はただ橋の上で一人踏みとどまって,戦い抜いた歩兵。そして,おそらくLondonのTower Bridgeの近くのpitchでチェルシーが勇敢に勝ち抜いたので,記者がそうかけたのでは,とも言われていました。
話をまとめますと,非常にレベルが高いプレミアリーグで勝利をもぎ取ったチェルシーを讃えるために“Goalfest at the Bridge”という表現を用いたと察することができます。(by camel)