常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

rout 復習

欧州サッカーをこよなく愛する私(broccoli)ですが、今回はサッカーに関する記事の一面を紹介したいと思います。

欧州サッカー連盟の主催で現在開催されているUEFA Champions Leagueの準々決勝 1st legにて、スペインのレアルマドリード所属、クリスティアーノ・ロナウド選手が豪快なオーバーヘッド弾を決め、イタリアの名門クラブであるユベントスは完敗を喫しました。

Ronaldo nets stunner, leads Real rout of Juve

TURIN, Italy (AP) — Cristiano Ronaldo’s latest masterpiece was so good even the opposing fans had to stand up and applaud.
Ronaldo pulled off a spectacular overhead kick to score his second goal of the night on Tuesday as Real Madrid beat Juventus 3-0 in the first leg of their UEFA Champions League quarterfinal.
Even by Ronaldo’s record-breaking standards, this one was special.
以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0004349107

見出しにあるrout /raʊt/ を取り上げます。試合結果を既に知っていたので、「クリスティアーノ・ロナウド選手は鮮やかなゴールでネットを揺らし、(点差を考慮)ユベントスの準々決勝突破が遠のく結果となった(出鼻をくじかれた)」という解釈になるのではないかと推測しました。以下で意味や語源等を確認していきます。
『スーパーアンカー英和辞典』(第五版、学研プラス)でroutを引くと、名詞の形で「敗走(させること)、総崩れ(にさせること)、圧勝、完敗(させること)」、動詞では「〜を敗走させる、総崩れにさせる(out)、〜を完敗させる」とありました。例文では、put the enemy to rout「敵を敗走させる」とあるので、見出しの表現と置き換えられるかと思われます。
語源については、rouが初めにくる単語はフランス由来であるのが多いことから、今回のroutもフランス語由来であるのではないかと考え、Oxford Dictionaryを引くと “Middle English: ultimately based on Latin ruptus ‘broken’, from the verb rumpere; sense 1 and the verb ( late 16th century) are from obsolete French route, probably from Italian rotta ‘break-up of an army’; the other senses are via Anglo-Norman French rute.” とありました。
世界の中でもトップレベルのチーム同士が熾烈な戦いを繰り広げるのがUEFA Champions Leagueですが、果たして今年の優勝クラブはどこなのでしょうか。リオネル・メッシ選手を擁するバルセロナが勝ち進むのか。今後も目が離せません。(broccoli )


a rout and a romp - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

to rout - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から