常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Two seconds.

言語感覚を磨くためにUG先生からサジェストされた「折々のことば」(「朝日新聞」)を愛読しています。ただ29日付けの「Two seconds.」は,どこか腑に落ちない感じがいたしました。

    

鷲田先生のポイントはmomentでもminuteでもなく,secondですよね。Two seconds.と表現することに「こまやかな心遣いが短いことばにこもっている」とのことですが、second(フレーズの中ではseconds)は厳密に「秒」を指しているわけでなく,あくまでfigure of speechで, moment, minuteとほぼ同義というのはUG先生から学んだことです。

Oxford Dictionaries. comは、"Definition of just as minute or moment, or second, etc. in English"とminute,moment,secondとまとめ,同一に扱っているところからもこれは明らかで,定義を見ても,"Used to ask someone to wait or pause for a short time"と,単に特定しない短い時間を述べているにすぎないのです。

http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/just-a-minute-or-moment-or-second-etc.

なお,音声の発話速度を見てもOne moment, please. Just a minute.(これにはなぜpleaseが付いていないの?)と比べても,Two seconds.の方が短いわけではありません。

コラムを読んで,畏れながらこのように感じました。(Inaho)