常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

cellulitis

たまたま買った某スポーツ新聞(7月1日付)に「蜂窩織炎」という言葉がありました。「体の不調の原因・症状・解消法」というサイトによりますと、これは「皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけて炎症を起こす化膿性の細菌感染症」のことで、「傷口などから入り込んだ細菌の感染がその箇所にとどまらずに皮膚の深い部分にまで広がり、細胞の周りの細胞間質を広範囲に融解しながら細胞自体を壊死させ」る感染症であるそうです。この感染症の名前は「融解し切らずに残っている間質細胞と細胞内に浮遊している細菌が『ハチの巣と、巣の中にいるハチの幼虫』のように見えること」から来ているそうです。
さて、問題は英語で何と言うかです。調べてみますとcellulitisという語が出て来ました。『リーダーズ英和辞典』第3版(研究社)によりますと、「⦅医⦆蜂窩炎、小胞炎、フレグモーネ」とありました。『英語語源辞典』(研究社)によりますと、cellul(o)-, celluli-は「細胞の」、-itisは「…炎」「⦅戯言⦆…熱、…狂」を表します。これらの要素を合わせて「細胞の炎症」、この場合は「皮下脂肪組織の炎症」を意味します。Weblioで調べておりましたら、phlegmonという語も出て来ました。語源は同語源辞典によると、「燃えること」だそうです。
また自分の言葉に対する「引き出し」が一つ増えました。これからも、このようなちょっとした「引き出し」を増やしていきます。(Kawada)


http://cmedicalcenter.net/survey/%E8%9C%82%E7%AA%A9%E7%B9%94%E7%82%8E/

http://ejje.weblio.jp/content/%E8%9C%82%E7%AA%A9%E7%B9%94%E7%82%8E