常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nitty-gritty 復習

先日、党首討論が行われました。一年振りとなった党首討論ですが、核心に触るような討論とはならなかったと見られています。

Japan in Depth / Abe avoids controversy in security bills debate

Prime Minister Shinzo Abe took a “safety-first approach” during his one-on-one debate with opposition leaders on national security legislation Wednesday, avoiding any controversy during the opening skirmish in Diet deliberations on bills that will expand the activities of the Self-Defense Forces.

Katsuya Okada, president of the main opposition Democratic Party of Japan, grilled Abe over whether the SDF could become entangled in combat while providing logistic support and whether Japan might exercise force in a foreign country. However, the debate ended without getting into the nitty-gritty of some issues due to Abe’s approach, which at times involved avoiding giving direct answers to questions.

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/1988776.stm

今回は“nitty-gritty”を拾い上げます。『G3』には「(物事の)核心、本質;基本的事実」とあります。この“nitty-gritty”、私にはすっかり目新しいものでした。せっかくですから、少し掘り下げてみることとします。二つの語から成る複合語のようなので、まずはそれぞれの意味を確認します。“nitty”については、手元の辞書では確認できなかったため、ネット上の辞書を参考にしました。『英辞郎 on the WEB』によると、「1.シラミの卵[幼虫]の多い 2.<英俗>ばかな」、“gritty”は『G3』に、「砂利のはいった;砂のような 《米俗》勇気[根性]のある」とあります。それぞれの意味が出揃ったものの、なぜ「核心、本質」といった意味になるのか、まだ合点がいきません。そこで、“nitty-gritty”の語源を見ることとします。
とはいったものの、その語源として確実だと言えるものは未だ確認されておらず、様々な説が仮説として語られているようです。ここでは、その中の1つを紹介します。18世紀、イギリスの奴隷貿易が関連している、というものです。奴隷輸送を終え、奴隷を下ろした後、輸送船の船底を“nitty-gritty”を指している、という説です。奴隷輸送の環境の悪さ、長時間の輸送が奴隷として捉えられた人々を苦しめ、船底にはシラミや砂ぼこりなどが堆積していきます。航海中の死亡率も決して低くはなかった事から、環境の劣悪さは想像に難くありません。当時、利益を生んでいた奴隷貿易、反面、劣悪な輸送環境であったことから「核心、本質」といった意味を持つようになったのではと考えました。(potter)

語源として以下のURL先を参照しました
http://www.phrases.org.uk/meanings/nitty-gritty.html

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/1988776.stm

http://d.hatena.ne.jp/A30/20120130/1327899188