常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

kin 復習

The Japan Timesから、あのセウォル号についての記事です。16日に一周忌の式典が行われました。あれから1年、事件より得た教訓は今日どのように生かされているのでしょうか。

On anniversary of Sewol sinking, victims’ angry kin unmoved by South Korean leader’s vow to salvage ferry
SEOUL – Angry relatives of passengers who drowned in a ferry sinking snubbed South Korea’s president on the disaster’s anniversary Thursday even as she pledged to salvage the ship.
http://www.japantimes.co.jp/news/2015/04/16/asia-pacific/anniversary-sewol-sinking-victims-angry-kin-unmoved-south-korean-leaders-vow-salvage-ferry/#.VTEYTmyJiP9

気になったのは、見出しの “kin”です。『ジーニアス英和大辞典(大修館書店)』によりますと原義には「産む」とありますが「1 [集合的に;複数扱い]血縁、親族、親類 2 血族[家族]関係、婚姻 3同質、同種類」とあり、古英語 “cynn”(種類、種族、親族)が語源のようです。

“kin”の語源が分かったところで、同じく「親戚」を意味し、より馴染み深い “relative”も気になります。 “relative”は 「relate(関係づける)」 に接尾辞の「-ive(〜の性質を持った)」が連結した言葉ですので、必然的に “relate”の語源を調べることになります。同辞典で調べてみますと、ラテン語referre(連れ戻す、報告する)が語源で「re-(もとへ) + -late(運ぶ)」という意味があるようです。同じ意味でも語源や綴りが全く違う言葉を現在も尚同時に使っていることに興味深く感じた次第です。(Inaho)

“kin”は以前にも “next of kin”という形で取り上げられています。

http://d.hatena.ne.jp/A30/20101023/1287820142

http://d.hatena.ne.jp/A30/20131126/1385431525