常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

For Pete’s sake

映画「Field of Dreams」から表現を拾います。

勉強会のプレゼンに使った表現の一つである、”For Pete’s sake”を取り上げたいと思います。ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)には「(略式)頼むから、お願いだから」という意味が載っていました。その他手持ちの辞書にこの表現はなかったのですが、Weblioには同様の意味が載っていました。

映画では、EdieとChickという二人の野球選手の会話の中でこの表現が使われています。二人は1920年頃に活躍した選手で、Edieがその頃のChickのプレーを今になってからかいます。するとChickは「もう昔の話じゃないか」という意味で”For Pete’s sake, Cicotte. That was sixty-eight years ago!”と言ったのでした。

意味は分かったのですが、一体Peteとは何なのかと思い、調べてみました。Peteは一般的にPeterの愛称で、ここでのPeterはキリストの十二使徒の1人である聖ペテロを指します。LDOCEでsakeを引くと、Peteの代わりにGod, Christ, goodness, Heavenが使われることもあると書いてあります。英語は神に関係する語を使うことはよくありますが、ときにはそれが直接的すぎるがために婉曲表現を使うことがあります。For Pete’s sakeもその一つではないかと思われます。英語というのは聖書の影響を大きく受けている言語であると改めて実感しました。(bookmark)