常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問: according to

ご指名質問にお応えいたします。お題は次のaccording toの用法です。まったく自信はありませんが、挑戦してみたいと思います。

The world according to Toru Hashimoto

最初に、この見出しは記事にも“a beginner's guide to the world of Toru Hashimoto.”とあるように「橋下徹の世界観」「橋下徹の考える世界」という意味だと考えられます。

According to についてSwanのPractical English Usage 3rd Ed.を見てみると次のような説明があります。

According X means ‘in X’s opinion’, ‘if what X says is true’.
We do not usually give our opinions with according to.

引用のように、「誰かの考え」や「○○さんの言うことが真実ならば」という意味です。さらに*according to meやaccording to youなどは不可で、opinionやviewが共起することも稀であることを確認できます。

ジーニアス大英和辞典』によると大きく3つの用法に分類することが可能です。
(1)[通例文頭で](発言・文献・時計など)によれば(…だそうだ)
(2)《正式》〈計画・約束など〉に従って、応じて、…と一致して
(3)〈事〉の順に、…を基準にして

またLDOCEでは、『ジーニアス大英和辞典』と同じように3つに分類されています。
1 as shown by something or stated by someone
2 in a way that depends on differences in situations or amounts
3 in a way that agrees with a system or plan, or obeys a set of rules

LDOCEの2の定義は『ジーニアス大英和辞典』の(3)に相当しており、3が(2)に対応していると考えて良いでしょう。

一応、『リーダーズ英和辞典』も参照してみると見出しによく似た用法がありました。

Arrangement according to authors

このように名詞+according to 名詞という具合も可能なことがわかります。

記事を読んで、上記の辞書の引用を考えてみると、この見出しのaccording toは、『ジーニアス大英和辞典』の(2)およびLDOCEの3の用法を使ったことがわかります。(Othello)