常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

for peanuts

The Economistには、世界中で広がる所得格差の問題についての記事がりました。記事では、Gini coeffieicent(ジニ係数)という所得配分の均等/ 不均等を表す指標を使い丁寧に論説されています。最後の“True Progressivism”については、よくわかりませんでしたが、これは今後勉強していきたいと思いました。今回はこの記事の挿絵から英語表現を拾います。

For richer, for poorer | The Economist


… But in a world of nation states it is inequality within countries that has political salience, and this special report will focus on that.

なぜ挿絵では、左の人物がドルを持って、右の人物がピーナッツを持っているのでしょうか?これは、英語の口語が元になっており、その口語表現を挿絵として具現化しているからです。『リーダーズ英和辞典』によると、for peanutsで「はした金で;ただ同然で」とあります。つまり、ピーナッツを持っている人物はこの表現を顕在化していることがわかります。

また、ドルを持っている人物(「富を持っている人」)とピーナッツを持っている人(「所得の低い人物」)が、互いに相反する方向へ歩いていることで、記事が所得配分の不均衡性や格差が広がることについて書いていることがわかります。さらに、二人の人物の間には誰もいなく、砂漠?と青い空が地平線上に広がっていることも興味深いでしょう。最後に、下の引用箇所と記事の“But big income gaps can also be inefficient, because they can bar talented poor people from access to education or feed resentment that results in growth-destroying populist policies.”という箇所には納得がいきました。(Othello)