常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

通訳関係の例会

わたしも所属している学会の関西支部例会のお知らせが届きました。ご案内します。(UG)
日本通訳翻訳学会関西支部第25回例会のお知らせ
[日時]:2010年12月4日(土)3:00〜5:30
[場所]:西宮市大学交流センター(阪急西宮北口駅北改札口を出て右手、隣接の「ACTA西宮」東館6階)
<研究発表1> 
発表者:真木ジュリア(神戸女学院大学大学院博士前期課程)
題目:「通訳者のプロソディが、聞き手による通訳者の評価に与える影響」
要旨:本研究の目的は、聞き手が同時通訳者のパフォーマンスを評価する際、lexical prosodyが重要な要素の一つになっていることを明らかにし、不自然なlexical prosodyはパフォーマンスの評価だけでなく、通訳者自身の評価をも下げてしまうことを証明することである。本研究ではlexical prosodyの中でもフレーズ末の尻上がり・尻下がりを取り上げ、(1)質の評価にマイナスの影響を与えるのは不自然な尻上がり・尻下がり、又は、内容のエラーどちらであるか(2)評価が大幅に変わるピッチの高さはどこかを調査する為、音韻分析ソフトウェアのPraatを使用し実験を行った。その結果、フレーズ末の不自然な尻上がり・尻下がりは大きく評価に影響を及ぼすことが分かった。
<研究発表2> 
発表者:石塚浩之 (神戸市外国語大学博士課程)
題目:「同時通訳者による実体とその関係の把握」
要旨:命題構築の最小単位は述語と項の結合にある。しかし、述語と項に対応する実体とその関係の意味的内実は、言語的情報とは異なる認知的階層にある。実体と関係の情報は、言語表現にコード化された情報のみで示されるわけではなく、非言語的な認知資源から補充されねばならない。本発表では、通訳例の分析から、言語的情報とは異なる階層における実体とその関係の把握が、同時通訳者による事象構造把握の基盤をなしていることを示す。
[参加費]会員:無料  非会員:1,000円(学生500円)
[出席の連絡]11月27日(土)までに、西村(nishimur@tachibana-u.ac.jp)までお願いします。なお、終了後近くの店で懇親の会を予定しています。お気軽にご参加下さい。