常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

英語教育を考えるフォーラム 感想

本日、ふるさと那覇で行われた英語教育を考えるフォーラムに参加してきました。フォーラムは終日に渡って行われ、午前中が「我が校、我が地域の英語教育」と題して4人の先生方が実践的な発表をしてくださいました。午後の部では、中学のALTの方からインターナショナルの講師の方、大学で教えていらっしゃる先生と英語教育に携わる様々な立場の先生方のお話をお聞きすることが出来ました。

お話される内容も多岐に渡り英検を取り入れた授業、学校をあげてスペリングコンテストをしているという実践例、英語を学ぶための姿勢、生徒のプレゼン能力をあげる授業などのお話を、映像を見せて頂きながらお話をお聞きしました。中でも特に印象的だった発表は、「感動、感激、感情がなければ学びにならない」とお話されていた先生のご発表でした。その方のご発表は、フロアとのやりとりが結構あり、English codeというあるパッセージを見せて、これは何を表しているか尋ねられました。?や!などがちりばめられた文章は何が書いてあるのか全く分かりませんでした。その際先生は、「意味のあるものしか人は考えようとしない」ということを仰いました。つまり、私を含めフロアの人達は考えようとしていないということでした。それは目にも現れているようで、何か活動をするためには必ず目的が必要だという話に繋がりました。また、英語で定義されているものを当てるというやりとりの中では、字面だけの場合と、絵や写真などイメージを補ってあげた場合とでは記憶の残りやすさが違うことを改めて知りました。

午後は、グローバル化と手段としての英語という2つのテーマの元、基調講演が2つとパネルディスカッションがありました。その中で、4技能統合、can-doリストなど、授業で馴染みのあるキーワードが出てきて、日本の英語教育は今、本当に改革の時にきており、そのため多くの方が試行錯誤しながら取り組んでいる現状を知りました。また、午後の部では経済界から英語についてお話してくださった方がいらっしゃいました。その方は直接英語教育に関わっているわけではありませんが、お話の中で英語を学ぶのは決してその専門の人だけでいいというわけではないのだと感じました。英語はもはや、専門外の人も学ぶものとなっており、企業にいても英語を使うことがあり、趣味の中で使い、日常生活の中で思いがけず外国の方に話しかけられることがあります。英文科にいる私のように英語を専門としている人は、英語を将来使う、使わないに関わらず、限りなく英語のプロに近づく努力をしていかなくてはと強く感じました。専門が英語であるということがどういうことなのかを考える契機となりました。

今回は、現場の実践例にはじまり、英語を学ぶ姿勢、企業の立場から見た英語と様々な角度から英語を捉えたお話をお聞きすることができて充実した1日となりました。最後に、このような貴重な学会をご紹介いただいたUG先生に御礼を申し上げます。(Starlight)

grasp at straws

糖尿病を患った小学2年の男の子に適切な治療を受けさせず死亡させたとして、祈祷師を自称する男が殺人容疑で逮捕されました。

UTSUNOMIYA -- The parents of a 7-year-old diabetic boy here who died after a "healer" told them to stop their son's insulin injections were "grasping at straws" when they asked the man for help, the couple was quoted as saying by an investigative source.
以下省略

今回取り上げる表現は、“grasp at straws”です。そのまま訳すと、わらを握るとなりますが、どのような意味があるのか。意味を確認してみると、『ジーニアス英和辞典第4版』(大修館書店)には、「わらにもすがる」と記載されていました。さらに、Dictionary.comで英語の定義を見てみると、“to seize at any chance, no matter how slight, of saving oneself from calamity”とありました。「どんなチャンスをつかむ」とあり、何にでもすがるというニュアンスが含まれていると思います。また、ほかにも動詞を変えることで同じ意味を表すことが出来ます。それは、“snatch”、“clutch”、“catch”です。これらもセットで覚えると良いと思います。
許されない事件が起きました。このような事件を聞いて残念な気持ちになります。(Nao)

http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20151128p2a00m0na012000c.html

bear-hug

羽生結弦選手が、長野ビッグハットで開催されている、フィギュアスケートGPシリーズ終戦・NHK杯において、世界最高点322.40点を叩き出しました。

Perfect Hanyu scores record 322.40 points to win NHK Trophy title

Japan’s high-flying Olympic champion Yuzuru Hanyu became the first skater to break the 300-point mark on Saturday as he soared to victory at the NHK Trophy in breathtaking style.

The 20-year-old obliterated the mystical barrier in Nagano, posting a combined world record total of 322.40 points after a jaw-dropping free program which also smashed Canadian Patrick Chan’s previous high, triggering wild cheers from thousands of squealing female fans.

Hanyu’s free score of 216.07 was also the first ever to clear the 200-point mark and his astonishing aggregate score was on a entirely different level to Chan’s previous best of 295.27 set in Paris two years ago.

“I don’t believe it,” Hanyu told reporters after being greeted with a bear-hug from Canadian coach Brian Orser and calling out “arigato” (thank you) to his adoring public.

http://www.japantoday.com/category/sports/view/perfect-hanyu-scores-record-322-40-points-to-win-nhk-trophy-title

今回気になったのは“bear-hug”です。「クマが前足で獲物をつかむこと、〔レスリング〕ベアハッグ」の他に、「荒々しく力強い抱擁」(『ジーニアス英和辞典第四版』大修館書店)、“an action in which you put your arms around someone and hold them very tightly because you like them or are pleased to see them”(LDOCE)という意味があります。ただのハグではなく、力強いハグを表すようです。今回の記事からは離れてしまいますが、“hug”の他の意味に「<服が><体>にぴったりとくっつく a body [figure] hugging dress 体のラインが出るようなドレス」(『ジーニアス英和辞典第四版』大修館書店)という意味があったのを読み、主語が人以外にもなり得るということを知って驚きました。(Green)

go out on a high note 復習

映画「トイストーリー3」からです。
アンディーが大学進学で家を離れるため、部屋の片付けをしています。アンディーに捨てられるぐらいなら家を離れようとするバズ達をウッディーが説得しています。

Woody: And someday, if we're lucky, Andy may have kids of his own.
Rex: And he'll play with us then, right?
Woody: We'll always be there for him.
Buzz: Come on guys. Let's get our parts together, get ready, and go out on a high note.

"go out on a high note"を取り上げます。『英辞郎 on the WEB』には"high note"で、「活発な調子で、元気よく」という意味がありました。noteにはもともと「音楽の楽譜」という意味があり、高い音が明るく陽気な雰囲気をつくり出すことから、high noteは人の「語調」や「態度」が活発な様子を表す場合に使われるようになったようです。字幕だと、「元気よくいこう」となっていました。(Starlight)
以前、同じ表現が記事で取り上げられているのを先輩が書いておられます。
http://d.hatena.ne.jp/A30/touch/20140407/1396872729

spellbound 復習

CNNで世界の美しき31の景色が紹介されています。残念ながら日本はありませんが、どれも息を呑むような美しい写真ばかりです。

Editor's note: A previous version of this article was published in July 2012. We've added a few items and updated the list. We'd love to hear about your own "incredible sights" in the comments too.

Temples that tower out of mist-cloaked jungles; a herd of wildebeest, one million-strong, trekking across the African plains; a midnight sky filled with stars.

There are some things around the world that provide photo-showing rights for decades.
We haven't got them all -- in fact we barely scratched the surface.

But we have picked out a few of the scenes that, if you're lucky enough to witness them, will invariably leave you spellbound.

http://edition.cnn.com/2012/07/03/travel/must-see-sights-on-earth/index.html

取り上げるのは”spellbound”です。これは”spellbind”「…魔法にかける、魅了する」の過去・過去分詞形でもありますが、ここでは形容詞の「魔法にかかった、魅了された、うっとりした」という意味で使われています。『Oxford Learner’s Dictionaries』には” with your attention completely held by what you are listening to or watching”と定義されています。

“bind”には「拘束される」という意味もあるので、まるで魔法によって縛られているかのごとく魅了されている様子が想像できます。

『Online Etymology Dictionary』で語源を確認してみると、1742年に”spell”と”bound”が合体し"to be bound by or as if by a spell”という意味を持つようになったことが分かりました。また、動詞の”spellbind”の起源は1808と書かれており、動詞の方が後に生まれた言葉のようです。(bookmark)

http://d.hatena.ne.jp/A30/searchdiary?of=1&word=spellbound

sun-drenched

サッカーJ1の年間優勝を争うチャンピオンシップの準決勝が行われて、ガンバ大阪浦和レッズに延長戦の末、3−1で下し、決勝進出を決めました。

Soccer: Gamba beat Reds in extra-time to reach Championship Final

Late goals from Hiroki Fujiharu and Brazilian striker Patric sent defending champions Gamba Osaka into the J-League Championship final with a 3-1 extra-time win away to first-stage winners Urawa Reds in the playoff semifinal on Saturday.

Former Japan international Yasuyuki Konno fired Gamba in front early in the second half before substitute Zlatan Ljubijankic headed Reds level with 18 minutes of a pulsating encounter remaining in regulation.

中略

Reds had the first chance of a lively opening at a sun-drenched Saitama Stadium 2002, with captain Yuki Abe heading inches wide after 14 minutes

http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20151128p2g00m0sp039000c.html

今回取り上げるのは、“sun-drenched”という表現です。LDOCEで調べてみると、“a sun-drenched place is one where the sun shines most of the time - used especially in advertisements, magazines etc”という定義が見つかりました。さらに“drenched”を『ジーニアス英和辞典G4 大修館書店』で確認してみると、「(雨などで)びしょ濡れの、ずぶ濡れの」「(液体・光などに)浸された」⦅主に宣伝文などに用いられる表現⦆といった意味が載っていました。そのため、“sun-drenched”では「日光が照りつける、日差しの強い」となります。(ninetails)

oft-

テクノロジーなどを用いて、住みやすい街にする"Smart Cities"についての記事です。すでに先を行くシンガポールバルセロナなどに加え、グローバル化の時代の中で、ロンドンもより良いスマートシティとなれるよう拍車をかけています。

2016 will be the year cities start to use technology to improve services and liveability

The road from Barcelona airport to the city’s Gran Via conference space and adjacent hotels is not a rocky one. Even at busy times, it takes less than 20 minutes to arrive. It means that Barcelona passes the first test when it comes to being a tech hub: it is smart when it comes to transportation.

In recent years, global cities such as Barcelona have all tried to emulate the oft-mentioned Silicon Valley model to become another tech hub that will encourage companies and talented people to create a cluster of tech companies.

本日は以上より、"oft"を取り上げたいと思います。『Wisdom英和辞典 第三版』で調べてみますと 「副詞 《詩・文》〔通例複合語として〕= often 」 とありました。語源を調べて見ますと、ドイツ語"oft"からきたものとあります。関連して、よく用いる"often"は、同じドイツ語"oft"から派生し、"seldom"を意味する"selden"の影響を受け現在の形になったと考えられているそうです。(Online Etymology Dictionary)
意味はよく用いる"often"と同様ではありますが使用の際には他の語と複合させて使います。以下、例になります。

• an oft-asked question しばしば尋ねられる質問 『Wisdom英和辞典 第三版』
• an oft-quoted tenet (OD)
• an oft-repeated story (Merriam Webster)

恥ずかしながら馴染みのなかった"oft"ですが、これをきっかけによく使う"often"とつながりました。文を書く際には"often"のみならず、本日学習した"oft-"の形を使ってみたいと思います。(Dew)

http://www.telegraph.co.uk/technology/news/12021675/London-leads-the-way-in-the-global-growth-of-smart-cities.html

shack

 コロラド州・米国家族計画連盟施設で発生した銃撃事件に関する記事です。この乱射事件によって警察1名がなくなり,9名が重軽傷を負いました。犯人の動機は妊娠中絶反対のためではないかといわれております。この事件についてオバマ大統領は,銃規制の必要性を訴えております。
 記事の中で気になった単語は"shack"です。『Wisdom英和辞典第三版』(三省堂)によると「掘っ建て小屋,部屋」などという意味がありました。ODには"A roughly built hut or cabin"と定義されております。他にも"a radio shack"で「無線室」という意味になります(『Wisdom英和辞典第三版』(三省堂))。(Ume)

Planned Parenthood shooting: Suspect said 'no more baby parts'

Mr Dear is known to have spent time at this shack near Black Mountain in North Carolina

Mr Obama has previously said that his failure to pass "common sense gun safety laws" in the US is the greatest frustration of his presidency.
The suspect's remarks were quoted by an unnamed law enforcement official who spoke to the Associated Press news agency.
The Planned Parenthood group has drawn anti-abortion protests in the past.

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-34954474

Two points!

UG先生は時々、A30研究室のゴミ箱に,ペットボトルをゲーム感覚で投げ入れられることがあります。うまくゴミ箱に入ったときの時掛け声として何というか、言い方は人それぞれあると思いますが、私はTwo points!という言い方を覚えました。
『スポーツからきた英語表現辞典』(大修館書店)でこの表現の項を調べてみると、「『ナイスショット』⦅丸めた紙屑を投げてゴミ屑籠に上手く入ったときなどに言う⦆」とありました。同辞典にて語源を調べると、バスケットボールから来た表現で、「フィールドゴールで2得点」とあり、補足情報として、「NBAのルールでは20フィート以下、NCAAでは19フィート8インチ以下の距離からのシュートの場合に2得点が与えられる」 とありました。バスケットボールから来ている表現だとは、この本の説明を読むまで気が付かなかったところです。

今度先生のペットボトルがゴミ箱に一発で決まったらこの表現を使ってみます。(Kawada)

http://st.japantimes.co.jp/writer/english_sports/english_sports.htm?v=021

stab in the back

トルコのエルドアン大統領は、西部バルケシルで演説し、トルコ軍機が領空侵犯を理由にロシア軍機を撃墜した事件について、「起きなければよかった」と述べました。事件後初めて後悔の念を表明しました。

Istanbul (CNN)—The body of a Russian pilot killed after his jet was shot down by the Turkish military has been handed over to Turkish authorities, Prime Minister Ahmet Davutoglu told journalists in Ankara on Sunday.
中略
By contrast, Russian President Vladimir Putin has accused Turkey of trying to bring its relations with Russia to a "dead end," calling the shootdown "a stab in the back" and tying Turkey to terrorists. He has also signed a decree with punitive economic measures aimed at Turkey.
以下省略

今回拾い上げる表現は、“stab in the back”です。そのまま意味を捉えると、「背中を刺す」となりますが、ここではどのような意味を表しているのか。意味を確認してみると、『英辞郎on the web』には、「中傷、裏切り、背信行為、裏切り行為」と載っていました。今回の場合、ロシアとトルコは友好関係にあった中で、このような撃墜事件があったため、「裏切り行為」と捉えると思います。また、ほかにも似た表現があります。それは、“stab in the dark”です。意味は、「あてずっぽう」です。暗闇のなか刺そうとすることをイメージすると、困難であると思います。そこから、連想して意味を考えると覚えやすいと思います。
今後、両国の関係がどのようになるか。情報をキャッチしていきたいです。(Nao)

http://edition.cnn.com/2015/11/29/europe/syria-turkey-russia-warplane/index.html