常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pipe dream

日本の国会の議論は,中身の濃いものになっているのでしょうか。先週の水曜日に菅首相,谷垣自民党総裁,山口公明党代表の初めての党首討論が行われました。討論の目玉は社会保障と税の一体改革でしたが,結局双方の言いたいことを出し合っただけで,建設的な話し合いとはなりませんでした。DY(02/11/11)の社説がこの党首討論を扱っています。
If this kind of debate is the norm, in-depth policy discussions will be a pipe dream, no matter how often question time is held. We hope they will make their debates more contractive.
ここで採り上げる表現はa pipe dreamです。「パイプの夢」とは一体何でしょうか。『ジーニアス大英和辞典』(大修館書店)によると,「(麻薬による幻覚のような)夢想,世迷い言」や「非現実的な計画,夢物語」という意味があると分かりました。ここでは後者の意味で使われていますね。pipe dreamがこのような意味になる理由として考えられるのは,pipeにはアメリカの俗語で「麻薬(マリファナ)」という意味があるからでしょうか(同上)。
いずれにしても,自分の党の意見に陶酔して議論を深めることが出来なくなるのは一番避けてほしい事態ですね。(ゼミ生 persimmon柿生)