常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

the only one

New York Timesのスポーツ欄にあったNBAの記事より英語表現を拾います。現地時間の28日にNew Yorkで行われたNew York KnicksとMiami Heatの試合は,KnicksのエースAmare Stoudemire選手の活躍によりKnicksがHeatを93-88で破りました。
Knicks Contain James, Beat Heat 93-88
Amare Stoudemire scored 24 points for the Knicks, when he was often the only one in a white jersey to make a shot for three quarters. But Gallinari was huge in the fourth, when New York finally contained Wade after he was 14 of 15 through 36 minutes.
http://www.nytimes.com/aponline/2011/01/27/sports/basketball/AP-BKN-Heat-Knicks.html?partner=rss&emc=rss
今回採り上げるのはthe only oneという表現です。the only oneというと「唯一のもの」という意味で捉えられることが多いですが,記事ではwhen he was often the only one in a white jersey to make a shot for three quartersとあるように,oftenと共に使われています。「しばしば唯一の選手であった」では意味が通じません。また,NBAのオフィシャルホームページで確認したところ,第3クォーターにKnicksで点数をとったのはStoudemire選手だけではありません。つまり,このthe only oneは「唯一の」という意味ではないのです。
そこで辞書で調べてみると,形容詞onlyには「唯一の」という意味の他に「最良の, 最適の(best)」という意味がありました(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。in a white jerseyはKnicksのユニホームのことなので,the only one in a white jerseyは,ここでは「Knicksで最も活躍した選手」を意味していると考えられます。(院生 小山本)