常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Enter the dragon

長崎の諏訪神社では毎年10月7日から秋の大祭「長崎くんち」が開催しました。「長崎くんち」は370年にも及ぶ伝統を誇り,国の重要無形民族文化財(significant intangible folk cultural asset)に指定されています。写真は催し物の1つ「龍踊」です。

             Enter the dragon
The traditional "Dragon Dance" is performed at Nagasaki's Suwa Shrine in dedication to the god of the shrine, during the Nagasaki Kunchi festival on Oct. 7, 2010. The festival, designated by the Japanese government as a significant intangible folk cultural asset, will be held until Oct. 9 this year. (Mainichi)
http://mdn.mainichi.jp/photojournal/graph/photojournal/1.html
見た瞬間にわかりますが,見出しはBruce Lee主演の映画「燃えよ,ドラゴン」の原題Enter the dragonをそのまま用いたもの。この命令形のenterは脚本のト書きで用いられる表現で,Enter Hamlet.(ハムレット登場)のように「登場する」という意味になります(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。もちろん,ここで登場したドラゴンは「龍踊」の龍を指しています。
ちなみに,長崎伝統芸能振興会によれば,「くんち」の語源は旧暦の9月9日を重陽の良き日として祝う中国の風習が伝わり,9日(くにち)をくんちと読み,祭礼日の意味としたとする説が一般的なようです。
cf. http://www.nagasaki-kunchi.com/about/