常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bring it up 復習

映画『BROTHER BEAR』(2003)からです。
映画の舞台は遥か昔、大いなる精霊グレイト・スピリットの力が信じられている村で、そこにはイヌイットの兄弟が住んでいました。グレイト・スピリットの力によりクマに変身してしまったKenaiは、その理由を確かめるために「光が大地に降り注ぐ山」を探すことにしました。最初に出会ったヘラジカの兄弟(TukeとRutt)にその場所を尋ねますがまともに相手にしてもらえず、あきらめて自分で探そうと歩き出します。
Kenai: I’ll find it myself.
Tuke: I wouldn’t go that way.
Rutt: Why not, eh?
Tuke: Well…there was a reason.
Rutt: You brought it up.
Tuke: I’m trying to, but you’re talking… 

取り上げるのは”You brought it up”です。
“bring up”といえば「(子どもを)育てる」ですが、他にも”to mention a subject or start to talk about it”(『Oxford Learner’s Dictionaries』)という意味があります。『ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)』には「<議題・問題など>を持ち出す」としか書かれていないので「話題」も加えておくと良いかもしれません。ここでは「そっちは行かないほうがいい でもなんでだっけ」と言うTukeに対して「お前が言いだしたんだろ」という意味のセリフだと思います。
この意味で使われる表現として、”the one who brought it up”で「言い出しっぺ」というものもあるようです。(bookmark)